2011年05月18日

review:篠塚聖哉「ペネトレイト」《2/26》

review:篠塚聖哉「ペネトレイト」《2/26》

篠塚聖哉「ペネトレイト」
ANDO GALLERY
東京都江東区平野3-3-6
03-5620-2165
2/1(火)〜5/21(土)日月祝休
11:00〜19:00
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SHINOTSUKA Seiya "Penetrate"
ANDO GALLERY
3-3-6,Hirano,Koto-ku,Tokyo
03-5620-2165
2/1(Tue)-5/21(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
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大きな画面の作品お展示が続いた篠塚聖哉さん、今回は久々にオンペーパーの従来のサイズの作品で展示を丸ごと構成し、ストレートでスマートなインスタレーションが構築されています。

それぞれの作品は高さと間隔が整えられ、一切の意外性を排除し清々しいほどの真っ当さでクリエイションの提示が挑まれているような印象で、それが篠塚さんのユニークさを際立たせ、それぞれの画面から発露されるるスケール感の尋常でない壮大さが力強く重厚に提示されるとともに、ある程度把握し得るサイズであることでひとつひとつと至近で対峙したときはあらためてテクスチャーの生々しさに気付かされます。


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画面がコンパクトであることもあり、そのぶんひとつの空間に持ち込まれる風景の数も増え、そのバリエーションの豊かさもより引き立てられているように思えます。用いられている色彩も多くどこか華やいだような印象も遠くから漂ってきて、それでいてひとつの空間にもたらされる統一感は圧倒的な重厚さを伴い、悠久の時間の流れが横たわっているような感覚も湧き起こってきます。


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ある程度の距離を置いて拝見したときにもたらされる、圧倒してくるような荘厳なイメージは相変わらずで、そのことが敢えて今回は至近でじっくりと観てみようと思い立たせるに至った次第。作品の前で画面を凝視していると、そこで行われた行為の生々しさが異様なほどに濃厚に脳裏に届けられ、俯瞰したときに感じる広大なイメージとはむしろ真逆へと意識が引きずり込まれるように向かっていくように感じられます。


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ひたすら指で直にパステルを画面に塗り込む、押し込むようにして描かれていく作品。その質感のしっとりとした感触が程よい繊細さ、やさしい気配をもたらします。それでいて、その集積はひたすらにアバンギャルドで刹那的な雰囲気を充満させ、ところどころに見受けられる際どい指紋の痕が悠久のスケール感に満たされた心を一気にミニマムな世界観へと半ば強引に思えるほどに引き込んでいきます。


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作品ごとに醸し出される気配のイメージのバリエーションにもあらためて唸らされます。クラシカルな油画を彷彿させる大胆な配色はときに静物を思い起こさせ、意外なほどに身近な縮尺感が届けられ、壮大で荘厳な風景のイメージとはむしろ相反するような何とも不思議な感覚で満たされていくことも。ひとつひとつの画面は極めて抽象性が高く、それがそこに浮かび上がっているかたちにさまざまなイメージをもたらしていきます。その自由度の高さも深遠な世界観に楽しさを添えていきます。


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擦り付けられるパステルのしっとりとした質感のマッドでドライな風合いも、独特の味わいとなってその気配に作用していきます。ひとつの箇所に重ねて定着されている部分にもたらされる微妙な立体感。至近でやっと認識できる僅かな段差がミニマムなイメージへと意識を向かわせてくれます。


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指で描くことでもたらされる無骨さが荘厳でプリミティブな世界観を直接的に生み出しているような印象もあらためて強く感じます。ひたすらにストイックに積み上げられる行為は高い抽象性を纏ってひとつの情景へと転化され、さまざまな距離で捕らえ得る豊かな表情がさまざまな縮尺のイメージへと意識を誘っていきます。


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そして、当初から保たれる画面の構成、ひとつの紙に描かれる情景は必ず水平方向にトリミングされ、そのことがそれぞれの画面に広がりをもたらしています。さらに展示空間にもリズムを生んで、広い壁面にも自然に作用し、その景色の奥へとスムーズに意識が吸い込まれていくように思えます。やや抑えられた照明がさらにその臨場感を深め、いっそうの荘厳さが導き出されています。


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posted by makuuchi at 05:30| review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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