2011年05月06日

review:グループ展「UNDULATIONISM (波動主義)」 《3/19》

review:グループ展「UNDULATIONISM (波動主義)」 《3/19》

グループ展「UNDULATIONISM (波動主義)」
MORI YU GALLERY KYOTO
京都府京都市左京区聖護院蓮華蔵町4-19
075-950-5230
3/4(金)〜4/30(土)日月祝休
12:00〜19:00
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Group Show "UNDULATIONISM"
MORI YU GALLERY KYOTO
4-19,Shogoin-Rengezou-cho,Sakyo-ku,Kyoto-shi,Kyoto-fu
075-950-5230
3/4(Fri)-4/30(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
12:00-19:00



VOCA展も加えると会期を重ねて3つの展示で同時に作品を発表された、2011年春の小沢さかえさん。その皮切りに開催された京都でのグループショー、MORI YU GALLERYのお馴染みのアーティストに新たな個性を加えた展覧会で、アリエマキさんや中山玲佳さん、黒田アキさんの既発表作品に交えて展示された小沢さんの新作に新たな雰囲気を感じたのが強く印象に残っています。

これまで作品を拝見してきたことで抱いている小沢さんが描く世界の印象は、ひとつの作品にゆったりとした時間がふくよかに収められている、といった感じで、作品と対峙していると独特のタッチと色使いとでふわりほんのりと切なさを伴いながら、ワクワクするようなイメージへと誘ってくれるような風合いが得難い繊細な高揚を届けてくれるように思えます。その風合いを保つ作品、気ままに星同士を線で繋いだ星座が夜空いっぱいに広がるなか、闇のなかにあってその葉をまるで光源のように輝かせる椰子に寄り添うように座ってる女の子、その姿もふわふわと儚げな光に包まれるようで、さらにそのかわいらしい雰囲気に誘われるかのようにするすると虹色の蛇が椰子から降りてきているような場面。やさしい淋しさに満ちて、ひとつひとつの要素が紡ぐふくよかな気配にさまざまな想像が膨らんでいきます。


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ここから新たな世界が展開されていきます。
これまでの小沢さんの世界が時間をいっぱいにひとつの画面に詰め込んでふくよかな気配を創出しているとしたら、もちろん包み込んでくれるようなおおらかな優しさは随所にそのテイストを色濃く残しつつも、むしろある一瞬を刹那的に捕らえ、激しさを伴って気配を猛スピードで拡張させていくような感触が溢れているような印象が浮かんできます。
いつになく動きに満ちた展開、まるで飛ぶように虚空を走る女の子、その一歩、左足のつま先と大地とが接した刹那。ピンクの色彩が四方に飛び散り、たったひとつの瞬間の高揚を、とてつもなく華々しく表しているように感じられ、新鮮な心持ちで一気に満たされていった次第。点で描かれ輪郭を曖昧にしながらふわりと漂うように浮かび上がる樹の幹、その枝に萌える葉の色彩も煌々と光を放つようにエネルギッシュに迫ります。瞬発的な高揚に魅せられるのがとにかく痛快です。


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小品では気ままさ、緩さがいい味で醸し出されています。
変幻自在で天真爛漫なタッチはちいさな画面ではいささか窮屈、それならばとその狭さを逆手に取るように、ユーモラスで遊び心に富んだアプローチが繰り出されます。長閑でのんびりとして、ころりと笑みが思わずこぼれてしまうような場面に和まされます。


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なかでもこちらはその緩さが振り切っていてたまらない(笑)。
「これでいいのか?」とツッコミ気味に全力で問いかけて「いいのだ!」と落ち着くという。。。大きな作品の新鮮でスピード感に溢れる雰囲気に接していただけあって、こののほほん感はむしろ嬉しいです。


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今回初めて同ギャラリーで紹介された浦郷仁子さんの作品も興味深いです。
激しいタッチが重なって創出される抽象世界。遠目で接してそのおおらかに広がる気配のダイナミズムに煽られて、至近で眺めていくとそこに潜むさまざまな表情、有機的な筆致が溢れるように乗る画面から無数の発見を見いだしつつ、随所に現れるシャープなエッジにスリリングな印象を覚えます。


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不思議な空間がその画面のなかに導き出されていきます。
2階に展示されていた小品では曖昧な気配のなかにさまざまな小さなモチーフが折り重なるようにして挿入され、吸い込まれるような雰囲気が紡ぎ出されていて、どちらかというとダークな風合いを帯びているなかにきらりと光る要素が散りばめられているのがポジティブなイメージを届けてくれるように思えます。
ソロで拝見できる機会も待たれます、そのときにどんな空間が作り出されるかも楽しみです。


浦郷仁子_01.JPG
posted by makuuchi at 05:17| review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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