2010年05月17日

review:北爪潤 「花弁」《4/29、5/1》

review:北爪潤 「花弁」《4/29、5/1》

北爪潤 「花弁」
hpgrp GALLERY 東京
東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビルB1F
03-3797-1507
4/29(木)〜5/30(日)月休
11:00〜20:00

Jun Kitazume "Petals"
hpgrp GALLERY Tokyo
5-1-15-B1F,Jingumae,Shibuya-ku,Tokyo
03-6805-0840
4/29(Thu)-5/30(Sun) closed on Monday
11:00-20:00
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hpgrp GALLERY 東京での北爪潤さんの個展です。

北爪さんの作品はもう随分前にアートギャラリー環での個展で拝見していて、そのときの過剰に鮮やかな赤の色彩と蠢くような気配を醸し出すドットの密集など、作品を拝見して感じられた艶かしい生々しさが思い出され、また今年のアートフェア東京でのhpgrp GALLERY 東京のブースで久々に拝見した時の、色調にこそ変化が感じられ、またモチーフもあらためて確認すると相当に異なっているものの、独特の艶かしさが満ちていて、一貫する方向性のなかでの展開に大いに興味が湧いてきました。

このタイミングで開催される久々の個展。
アートフェア東京で拝見した小品がそのイントロダクションとして機能しているのだろう、と想像して伺ったのですが、実際に展示されていた作品と事前のイメージとのギャップに刹那、愕然とさせられ、しかしその衝撃もまた、好奇心を刺激し、新たに沸き起こる興味も一気にその世界観へと向かっていきます。


北爪潤_21.JPG



初めて拝見した時から今回の個展の直前まで一貫して、下地は基本的に白系統の色彩が採用されていたのですが、一転して真っ黒く塗布された闇がそこに敷かれ、ややうろ覚えなのですが和紙を重ねて画面に段差を作り上げ、それによって女性の姿を思い起こさせるモチーフが画面にしんしんと広がる闇のなかに浮かびます。
究極的にクールな色調でありながら、有機的なかたちの重なりは、これまでの咲く品での展開にも通じるような独特の艶かしさをもたらします。


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入り口から向かって正面の広い壁面には、スクエアの大作が2点。
広くなった画面のほぼ中央に文字通り「浮かぶ」ように現れる女性の姿。そこから背景と同系色の、まるでオーラのような盛り上がりがだらりと画面の上に垂れて、浮遊している様子などによって幻想的な風合いも醸し出されます。


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小品も魅力的です。
画面のサイズによってモチーフのサイズに変化がほぼもたらされず、従って小さな画面になるとモチーフがそのスペースいっぱいに現され、広い画面でのスケール感が奏でる気配とは異なる、登場する女性とのユニークな距離感に感じ入ります。またマチエルの臨場感もよりシャープに感じられ、その格好良さにもあらためて魅入られます。


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奥の事務所のスペースには、アートフェア東京で出展されていたシリーズの作品も。色調の差異などから醸し出される気配に大きな違いを感じつつも、画面の立体感などにおける共通点もはむしろ興味深く思えます。


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黒い色彩は、「黙る」ような雰囲気をより強めているようにも思えます。
重なる和紙の段差の部分に白い顔料が配されることで立体的な感触の面白味が寄り際立たせられてはいるのですが、基本的に「闇」と思い起こさせる、画面の全てに一貫する「黒」が「無」のイメージも強め、よってそこに漂う気配や意志に「黙る」ような雰囲気が感じられるようにも思え、さらにどこか殺伐と、もしくは荒廃したような空間を思い起こさせ、それでもどこか優雅さ、妖婉さが濃く潜んでいるように思える、そういう感触にも惹かれます。


北爪潤_01.JPG


posted by makuuchi at 20:00| review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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