2011年05月20日

review:久保俊太郎展覧会「畜生道」《4/28》

review:久保俊太郎展覧会「畜生道」《4/28》

久保俊太郎展覧会「畜生道」
GALLERY TERRA TOKYO
東京都千代田区岩本町2-6-12 曙ビル1F
03-5829-6206
4/23(土)〜5/21(土)日月祝休
11:00〜19:00
久保俊太郎110423.jpg

Shuntaro Kubo "Chikusho-do"
GALLERY TERRA TOKYO
東京都千代田区岩本町2-6-12-1F,
03-5829-6206
4/23(Sat)-5/21(Sat) closed on Sunday,Monday,national holiday and 3/28-4/4
11:00-19:00
Google translate



「畜生道」。
展覧会のタイトルに据えられたおそらくは久保さんのオリジナルのこの言葉が、久保さんが作り上げる世界を実にストレートに表しています。
さまざまなサイズの作品で繰り広げられるシュールでグロテスクなユーモア。巧みな筆致でそのひとつひとつのモチーフが丁寧に描かれていることで、登場するキャラクターの存在感はくっきりとした輪郭を放ち、展開される物語に鋭利さ、尖った感触をもたらします。

3点の画面を配してひとつの場面がダイナミックに構築された組み作品。
画面の位置関係がそのまま場面にダイレクトに関わっていてそこから醸し出される面白みにも感じ入りつつ、淀んだ緑という風合いの何とも不思議な色調のなかで繰り広げられる絵巻的な物語の場面のそれぞれに引き込まれ、いやもう何というかどれくらいの感じの距離で接すれば良いか正直なところ分からなかったりもするんですけど(結構絶句寸前のグロさだったりもするもので・・・)、その取り留めのない物語性に一体どうなってどうなるんだろうなどという想像も膨らんでいきます。


久保俊太郎_26.JPG

                        久保俊太郎_25.JPG

久保俊太郎_24.JPG 久保俊太郎_23.JPG 久保俊太郎_22.JPG 久保俊太郎_21.JPG

      久保俊太郎_20.JPG

久保俊太郎_19.JPG



スクエアの画面を菱形に展示した作品、その情景の天地の感覚のズレがそれによってさらに強調されます。ひとつの四角のなかで繰り広げられる場面はこちらも負けず相当にシュール、ほぼ真ん中を横切る地底を挟むふたつの陸地、そこかしこで例によって意志を持った人間の手と小動物たちの戦が繰り広げられていて、その特な活き活きとした感触に何とも不思議なイメージに満たされます。生物の動きの力強さを、そこに咲く菫の花の可憐さ、ほのほのと淡い色彩が繊細な緊張感で静かにやわらかく彩っている風合いにも感じ入ります。


久保俊太郎_18.JPG 久保俊太郎_17.JPG 久保俊太郎_16.JPG

久保俊太郎_15.JPG 久保俊太郎_14.JPG 久保俊太郎_13.JPG

久保俊太郎_12.JPG



一部光沢のある素材がコラージュ風に用いられているのが印象的な作品。日本画の画材によるマッドな仕上がりがしっとりとした風合いを醸し出すなか、そのブリリアントさが際立ち、部分としては小さいながらもアクセントとして充分にその機能を果たしているように思えます。


久保俊太郎_11.JPG 久保俊太郎_10.JPG 久保俊太郎_09.JPG 久保俊太郎_08.JPG

久保俊太郎_07.JPG



前回の個展でも発表されていた、ひとつの画面に整然とほぼ同じパターンのキャラクターを並べて描かれた小品も。それぞれの画面で展開されるバリエーションに久保さんの巧みな筆さばきが遺憾なく発揮され、ひときわ淡々とした雰囲気が横たわるなかにさまざまな見所が潜んでいるように思えます。動物たちの有機的な感じは相当にリアルに描写され、一方で纏う鎧や持つ武具はむしろ稜線がくっきりと強調されて、ポップな雰囲気も奏でられます。


久保俊太郎_06.JPG 久保俊太郎_05.JPG 久保俊太郎_04.JPG 久保俊太郎_03.JPG

久保俊太郎_02.JPG



なんとも不思議な雰囲気が空間に充満しています。
日本画出身らしい描写の巧みさは描かれる情景に鋭さをもたらし、グロテスクな手の生物と武具を纏う動物たちそれぞれのどこか感情を失せているような仕草や表情がその緻密な描写によってむしろ存分に引き出され、何だか見えない力に動かされている世界がそこに引き起こされているようなイメージが届けられるように思えます。


久保俊太郎_01.JPG
posted by makuuchi at 05:54| review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。