2011年05月12日

review:東美貴子『Fragments of time』《4/16、4.21》

review:東美貴子『Fragments of time』《4/16、4.21》

東美貴子『Fragments of time』
アルマスGALLERY
東京都江東区深川2-2-3
03-6412-8210
4/16(土)〜4/30(土)月休(5/7、5/8、5/14、5/15開廊)
12:00〜19:00(5/8:〜17:00)
東美貴子110416.jpg

Mikiko Azuma "Fragments of time"
HARMAS GALLERY
2-2-3,Fukagawa,Koto-ku,Tokyo
03-6412-8210
4/16(Sat)-4/30(Sat) closed on Monday (5/7, 5/8, 5/14 and 5/15 is open)
12:00-19:00
Google translate



ぼんやりと浮遊するような滲んだ輪郭のペインティングやテキストを織り込んだ展開などを自身の作品に取り入れ、その都度独特の気配を醸し出してきた東美貴子さん。ギャラリーショウの奥のスペースで開催された1週間の展示で発表された、紙をドット状のスクエアに細かく刻んで画面にコラージュ風には貼ってモチーフを表現する作品は、これまでのふわりとした気配から一変しシャープなテイストが創出されていて印象的でしたが、今回の個展ではそのドットの展開がさらに進化した作品群に加え、針で穴をあけてモチーフのの稜線を表現するものや点描の作品など、バラエティに富んだ手法に取り組まれていて、それぞれが生み出す細密表現の面白さに魅せられます。

もっともスタンダードと思われる手法、点描による作品。
律儀なほどに丁寧に、それぞれのモチーフが描き上げられていきます。行為としてもシンプルなだけあってコントロールもしっかりと効いていて、スムーズにその繊細な気配の表出がなされているようにも思えます。しっとりとした大人びた感触に加え、繊細で爽やかな雰囲気が程よく溢れていて心地よく感じられます。


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こちらは趣向が凝らされた展開がひときわユニークな作品。
支持体におそらく古びた洋書の4ページ相当にあたる1枚の紙が用いられ、そこに絵を貼り、さらに貼られていないページをその絵に被せて穴で輪郭をトレースしていく、というもの。行為としての無機的な感触が深遠さへと転化し、また表裏両面から開けられる穴がもたらす立体的な表情もそのアプローチのユニークさを際立たせます。


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穴による作品はさらに大きなモチーフへと。
捕らえられるモチーフの輪郭がシンプルに穴の羅列によって描き出され、支持体の紙の質感も相まって大きな画面でありながらもどこか軽やかな印象が届けられます。


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前回の1週間の個展で発表された細密コラージュによる作品は、その緻密さがさらに追求され、いっそう細やかで繊細な表現が紡ぎ出されています。入り口から向かって正面の壁面に横一列に並べて展示された4点の作品、黄色いドットを多く用いるシンプルな配色で統一され、広めの画面のほぼ中央にさまざまな縮尺のモチーフがドットのコラージュで表現され、インスタレーションのリズミカルな小気味よさも相まって、その面白さがスムーズに届けられます。


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刻まれるドットが小さくなったことに唸らされつつ、ただ小さくなっただけではなくそのひとつひとつのドットのかたちの精密さや配列の美しさにも惹かれます。
描き出されているモチーフはむしろ有機的な印象で、それが幾何学的にも思える構造で細やかに構築されていることにも引き込まれます。


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ふたつの色彩のドットによる、やや大きめのモチーフが表現された作品も。
ほぼ正方形のドットが全て同じ角度で配列されていることのスマートさがその緻密さや美しさをいっそうシャープに際立たせています。


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すこし懐かしくも思える、テキストをグラフィティ調に織り交ぜたちいさな作品もカウンター後方の壁面に。


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今回の個展ではひとつの画面にひとつの手法、というシンプルな構成によってそれぞれの作品が制作されていて、バラエティに富んだ展開が繰り広げられていながらも「緻密さ」ということで一貫していて、ひとりのアーティストのクリエイションとしての統一感はしっかりと保たれているように思えます。
そして今後、このさまざまな手法がひとつの画面に収められていくとしたら、またさらにユニークなテクスチャーが生まれるかも、という期待も膨らんでいきます。今後の展開も楽しみです。


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posted by makuuchi at 06:26| review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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