2011年05月02日

〜4/28のアート巡り

〜4/28のアート巡り

■3/24 Thu
Eriko Nagamasu
ギャラリー坂巻
東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB2F
03-3563-1733
3/22(火)〜4/2(土)日祝休
12:00〜19:00
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版画作品をメインにドローイングも数点という展示構成で、可憐な女性の姿に蜂の巣の有機的な紋様を織り込んで独特の妖しげな世界が紡ぎ上げられていたのが印象的です。
こまやかな描写で奏でられる繊細さがしっとりとした大人びた気配となって静かに心に忍び込んできます。


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大判のリトグラフ作品。3人の女性の頭髪で大きく編まれた三つ編みが竜の尾のようなどこかおどろおどろしい風合いをその可憐な情景にもたらし、また纏う衣服の表層がびっしりと蜂の巣の紋様で覆われていることも、独特の危うい世界観をそこに引き出しているように思えます。
人物の肌の部分が黒で表現されていることで匿名性が強められ、そのことが他の要素の有機的な感触をより押し出してもいます。


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頭髪のシルエットを蜂の巣の紋様であしらった小品は、今度は遊び心が小気味よく放たれます。版画作品の落ち着いた風合いが画面に現れるモチーフのグロテスクさを程よく中和し、紋様の美しさもスムーズに感じさせてくれます。


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ドローイング作品では、その蜂の巣の引用と女性をモチーフとすることを保ちつつ、コラージュ的な手法を取り入れるなど実験的なアプローチも取り組まれ、また版画作品と比較しても手仕事の割合が上がることもあり、よりその艶かしい感触が強く届けられているようにも思えます。


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高木智広+櫻井りえこキュレーション 激凸
unseal contemporary
東京都中央区日本橋堀留町1-3-18 堀一ビル3F
03-5641-6631
3/12(土)〜4/9(土)日月休
12:00〜19:00
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開催前から話題となっていたこの企画、尋常でない感じは参加作家の数とバリエーションの豊かさからも伝わってきていて、一体どんな感じになるのだろうといろんなイメージを持って展示に伺ったのですが、印象として、むしろ拍子抜けするくらいに整理されたスマートなインスタレーションが構築されていて、展示タイトルの言葉の響きとは裏腹の気配に逆に唸らされた次第です。
参加作家数だけの個展を観ているような感覚。互いの作品との衝突は限りなく抑えられ、これほどの数の作家の作品がひとつの空間にぎっしりとおさめられているにも関わらずそれぞれの世界観とじっくり対峙できるような構成になっていたことに感嘆させられました。
特に強く印象に残った作品は、まず横野健一さんの赤と白の展開、このふたつの色彩が交錯し合うことで生み出される鋭いカオスがモチーフのストリート感にいっそうの斬新さをもたらしているように感じられました。そして、松山賢さんの新展開、直前の個展で発表された画面を彫った作品とは逆に盛り上げを駆使して画面に彫るのとは逆の立体感を出し、この両面の展開がいっそうの平面における表現の幅をユニークな方向から押し拡げているような感覚が痛快でした。



鴻池朋子展「隱れマウンテン 逆登り」
MIZUMA ART GALLERY
東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2F
03-3268-2500
3/9(水)〜4/9(土)日月祝休
11:00〜19:00
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いよいよこの天井高5mを誇る空間の本領がダイナミックに発揮されてきたことを実感させられる、圧倒的なインスタレーション。縦に重ねられた二段の襖に描かれる巨大な絵画、そのサイズが導き出すスケール感だけでもう心がいっぱいになりそうなほど。
鴻池さんのクリエイションはひとつひとつの展示を体感してさまざまなイメージを獲得し、それを積み上げていきながら次の展示ではそこまでの経験を踏まえて新たなイメージを得ていき、観る人ひとりひとりの世界が広がっていくような印象をあらためて感じた次第です。繰り返し登場するお馴染みのキャラクターが時間と空間を自在に行き来し、内省的な深まりと外への膨張とが同時に引き起こされていきます。当初は別々のように思っていた物語もだんだんひとつに混ざり合っていく方向へと向かっているような感じも興味深く思えます。



■3/26 Sat
安部典子 “TIME LAG” -Linear- Actions Cutting Project 2011
SCAI THE BATHHOUSE
東京都台東区谷中6-1-23 柏湯跡
03-3821-1144
3/25(金)〜5/7(土)日月祝休
12:00〜19:00
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言うまでもなく僕はこういう細かい仕事の集積で作り上げられるクリエイションが大好きで、安部さんの作品も21_21で初めて拝見したときからその世界観に一気に入り込み、その後開催されたグループ展での展開のバリエーションのユニークさにも感じ入ったということもあり、今回の個展も「個展」というだけでいったいどのようにあの空間を紙の作品でおさめてくるかがとにかく楽しみで。
で、大きな期待を胸に拝見し、まず感じたのが「仕上がりが粗いのではないか?」と。施されるカットは基本的に感覚的で有機的、小さな作品であってもあの枚数の紙をカットするだけで相当に難儀な作業であることを踏まえてもグルー処理なども含め、やや粗さが目立っているように思えます。
しかし逆に、この表現で向かわんとする目標というか、展開していく方向性がいわゆる作り込みの部分ではないようにも感じ取れ、そのことがむしろ興味深く、そしてリスペクトすべきことのようにも思えてきます。
台上に設置される小品もあるものの、今回の個展ではこの容積に余裕のある空間に対し、空間的な余白を活かす展開のみではなくスケールの大きさを持って展示構成を挑まれたような印象が強く、つまりは大きな作品を発表していてその壮大さにはさすがに圧倒された次第。ディテールこそ粗さが感じられはするものの、むしろ限られた時間でいかにダイナミックな表現を、紙を切るという分量相応の時間が必要な作業によって創出していく、その姿勢に大いに感じ入ります。



■3/30 Wed
林茂樹展「Accelerated Ceramics」
新宿高島屋10F美術画廊
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2
03-5361-1111
3/30(水)〜4/11(月)
10:00〜20:00(土:〜20:30、最終日:〜16:00)
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宇宙服を纏う赤ちゃんの作品の印象が強い林茂樹さん。これまでは同一の造形のバリエーションのみを拝見してきたのですが、今回は未来的なバイクを駆る子供がモチーフとなり、これまでの直立の像の落ち着いた雰囲気から一変、展示されていた作品はすべて同じかたちながらもそこにもたらされる動きのスピード感溢れるイメージがとにかく痛快で。
洗練された造形の美しさも言うまでもなく、さらにセラミック特有の深みもしっかりと併せ持ち、独特のしっとりとしてかつフワフワとした感覚が楽しく思えます。
もっといろんなバリエーションを観てみたいです。



「NOART」
TAKA ISHII GALLERY
東京都江東区清澄1-3-2-5F
03-5646-6050
3/30(水)〜4/28(木)日月祝休
12:00〜19:00

震災以降さまざまなかたちでチャリティーを絡めた展示が行われ、それぞれに接していろんな想いが浮かんできます。
心意気に共感するものからどこか胡散臭い感じがしてしまうものなどあって、しかしどれが正しいとか分からず、そして完全に正しいものなどないよなぁ、と思ったりもして・・・。
そのなかでこのTAKA ISHII GALLERYが急遽行ったこの企画、その姿勢にもっとも共感を覚えた次第です。
プレスリリースにも書かれていた通り、ホントにギャラリーにはひとつの募金箱のみが設置されていて・・・しかし、それ自体が作家の手によるもの、ということが一目で分かるもので、そのことが何だか嬉しいというか、このタイトルを謳っておきながらも結局美術がそこにあること(そもそも白く塗られた壁の空間自体が美しく、そこから感じるものも、得るイメージも充分にあると言える思うのです)やはり美術と関わり続けていかなければいけない、ということを静かに宣誓しているように思えました。



島嵜りか展 〜東京物質主義的女子男子〜
GALLERY b.TOKYO
東京都中央区京橋3-5-4 吉井ビルB1F
03-5524-1071
3/28(月)〜4/2(土)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
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以前拝見した個展が印象深い島嵜りかさん、今回は描く主題のバリエーションに広がりをもたらし、もとよりの巧みな描写でそれぞれのアイデアのユニークさが鋭くコミカルに表現されていたように思えます。
熨斗袋をモチーフとしたシリーズ、女性の頭髪の描写の美しさにみとれます。


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祝儀袋、香典袋とそれぞれの空気感がユーモラスに表現されていきます。


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きらびやかな装飾にまみれる武者。
甲冑の豪勢さはもとより、そこに宝石貴金属がふんだんに挿入されて、勇ましさとは裏腹の過剰に洒落たどこかズレた感覚が楽しく、そしてひたすらに細かい描写にも感じ入ります。


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お馴染みの金魚とがま口とを合わせた作品も。
ぎらぎらした感触が画面から溢れてきてその豪勢さに圧倒されます。


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さまざまな方面へと向かうアイデアがそれぞれ高い写実性で描かれてスマートにそのイメージが伝わってきます。


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■4/1 Fri
コバヤシ麻衣子個展「MIND in a Gap」
表参道画廊
東京都渋谷区神宮前4-17-3 アークアトリウムB02
03-5775-2469
3/28(月)〜4/9(土)日休
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
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前回のhpgrp gallery 東京での個展では大きな作品をずらりと並べ、かわいらしいキャラクターを描く作品で重厚な雰囲気を作り出していたコバヤシさん、今回はサイズや質感などさまざまなバリエーションを駆使して、いろんな雰囲気をひとつの空間に届けていたように思えます。


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擬人化された犬、そのどこか淋しげな佇まいに意識が惹かれます。
無垢な表情や華奢な体つき、しかし目に宿る感情は純粋さを伴いながら深くて、それが独特の気配となって漂ってきます。


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大きな画面に1匹だけ。
画面に乗る筆の痕跡から醸し出てくる静かな焦燥感、かわいいキャラクターを描くはずなのに塗る行為の生々しさは異様なほどに伝わってきて、それがそこに横たわる犬の無垢さと不思議な響きを生み、濃厚な色彩でありながら朧げな、儚げな風合いもそこからゆるゆると立ちのぼってきます。


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ドローイング作品も印象的です。
さまざまなシチュエーションがシンプルに描かれ、それぞれの画面の余白もしっかりと気配に作用し、登場する犬の表情や仕草が背景を染めていきます。


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賑やかでもあり、静かでもあり。。。
なんとも不思議な雰囲気がさまざまなかたちで紡ぎ出されていて、そのひとつひとつに対する心の距離感もそれぞれに異なり、その差異がいっそうこの世界観を豊かなものにしているように思えます。


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阿部岳史展
MUSEE F
東京都渋谷区神宮前4-17-3 アークアトリウムB02
03-5775-2469
3/28(月)〜4/9(土)日休
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
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さまざまな色が塗布された小さなキューブを画面に整然と並べ、それによって風景や人物像を表現していきます。手法のユニークさが際立つのと同時に、その実余白というか相当に要素の密度が薄いことが何だか意外な感じで、そして何かに見えてきたときの何とも言えない嬉しさが痛快です。


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黒の支持体を採用した作品、キューブに乗る色彩のエッジもいっそう鋭く放たれます。


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平面のドットではなく、画面から立体的に盛り上がるキューブで表現されていることが、角度によって作品にさまざまな表情をもたらします。正面よりもやや斜めから見たほうがそのぶん画面に色彩が溢れ、それによってより具体的なイメージが届けられるのも面白いです。


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逆に近付くとそれが何か分からなくなり、その素材感、モノとしての質感がぐんと立ち上がってきます。


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■4/2 Sat
坂上チユキ「博物誌」
MEM
東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 2F
03-6459-3205
53/26(土)〜4/24(日)月休
12:00〜20:00
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ひたすら細かい描写で描かれるエキゾチックな世界。
ちいさな画面に収まるモチーフは高密度、所々に読めそうで読めない文字のような紋様も随所に織り交ぜられ、なんとも不思議な雰囲気が立ちのぼっているように思えます。


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時空をさかのぼっていくような理知的な妖しさがそれぞれの画面から奏でられます。
多くの作品が青い線で描かれ、それがもたらす窮屈なほどの統一感が、それぞれの作品のバリエーションを引き立たせ、ひとつひとつの画面からさまざまなイメージが得られていきます。


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インスタレーションも巧みで、額におさめられた絵が散りばめられたり凝縮されたりしながら有機的なリズムが空間全体に導き出されていたのも印象的でした。それによって、独特の深遠な妖しさもいっそう濃厚の表出されていたように思えます。


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異なる色彩を用いた作品も。
要素が多い分、ひとつの世界としての強度がそこにもたらされ、有機的に紡がれ展開されるその緻密な情景に意識もどんどんとのめり込んでいきます。


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また、黒のみで描かれた作品もぽつねんと。
青い線のふわりとした感触と比べてさらに大人びた落ち着いた印象が届けられるのも興味深く思えた次第です。


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■4/8 Fri
project N 45 クサナギシンペイ
東京オペラシティアートギャラリー
東京都新宿区西新宿3-20-2
03-5353-0756
4/9(土)〜6/26(日)月休(5/2開館)
11:00〜19:00(金土:〜20:00)
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京都での個展、そして今年のVOCA展でも印象に残るクサナギシンペイさんがオペラシティのproject Nに登場。これまでで最大サイズの大作から小品までがずらりと長い空間の壁面に配され、それぞれに用いられる色彩や要素が何とも儚げで不思議な世界へと誘ってくれます。
ぱっと目にした瞬間にはなかなか捕らえられない、ただ支持体に滲む色が重なっているような作品に戸惑いも覚えるほどですが、ひとたび何かの要素や配置に奥行きを見いだすとそこから絵のなかの情景がさらに遠くへと広がり、また他の要素もれに呼応して繊細で麗らかな気配をその世界に溢れさせていきます。たった2本の縦の線、その微妙な長さや太さの差異が、はたまた大きく緩やかに靡く弧が、さまざまな世界をひとつの画面に引き出し、いくつもの空間がそこに重なってそ朧げで繊細、そして不思議な時空を観る側の感覚が構築していく、そういう感触がとにかく楽しくて痛快です。
もっとも大きな作品は用いられる支持体が漂白されておらず、全体的にくすんだトーンが広がっていてその情景を捕らえるのにやや時間がかかってしまうのですが、そのぶん何かが奥行きに見えてきたところからさらに深い世界へと意識が沈むように導かれていき、とにかく心地よいです。



■4/9 Sat
下平晃道 個展「ブルースとジュース」
waitingroom
東京都渋谷区恵比寿西2-8-11 渋谷百貨ビル3F
03-3476-1010
4/9(土)〜5/14(土)金土月のみ
13:00〜19:00(月:17:00〜23:00)
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展示空間を俯瞰してまず、その明るくエネルギーに満ちた色彩が溢れている情景にポジティブな高揚とどこかほっとするような感覚が湧いてきます。
むしろアグレッシブなマチエルで展開される奇妙な情景、揺らめく人のかたちのシルエットが絵のなかの世界に独特の賑々しくピュアな、不思議な生命の感触をもたらしているように思えます。


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粗い画面に収まる要素の多さも賑々しい雰囲気へと転化して、そこに現れる人の姿が寧ろ死を予見させるようなものであっても、グロテスクさと背中合わせでどこかユーモラスに感じられ、またひたすら明るい色彩が用いられることで麗らかな空気感さえ届けられているように思えます。


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築かれる情景は上昇気流に満ちあふれます。
揺らめくモチーフが、プリミティブな色使いと筆さばきで描かれ、また感覚を解放したような描写が繰り出されることでおおらかな気の流れがそこに生み出されているような印象です。


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キャンバスの作品からオンペーパーのドローイングmさらにさまざまなモノを空間に配して、いっそう賑やかな世界がこの空間に導き出されています。


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■4/16 Sat
伊藤航展 Vegetables with feelings
gallery元町
神奈川県横浜市中区元町5-216
045-663-7565
4/11(月)〜4/17(日)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
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銀座での個展を終えて間を置かずに開催された伊藤航の今度は横浜での個展。
今回は食物を主題として採り上げ、そこに紙であることを敢えて感じさせるような要素を掛け合わせてユニークな世界を紡ぎ上げていくような展開が行われていた次第。


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モチーフの有機的な造形が例によってペーパークラフトでリアルに再現されていきます。


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ふたつの要素を掛け合わせる展開もユニークで、そう来たか、と思わせるものも。葉の付いた人参、複雑な葉はもちろん、律儀に細かい根までも表現されています。
そしてその先端が紙テープになっているあたりがまたユーモラスです。


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緻密さでは群を抜いていたトウモロコシ。


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レンコンも、穴の部分のその穴の形状が異様にリアルです。


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さまざまな技巧を駆使してその表層の質感を表現していき、また前回の個展などでの硬いモチーフから一変してひたすら有機的なかたちもしっかりとその造形を掴んで再現していく展開に唸らされた次第です。


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西澤諭志展「ドキュメンタリーのハードコア」
SANAGI FINE ARTS
東京都中央区日本橋茅場町2-13-8 第一大倉ビル1F
03-5640-6882
3/25(土)〜4/16(土)日月祝休
12:00〜19:00
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一見して何の変哲もない、日常的な情景を捕らえたと思しき写真作品、しかしじっくりと観ていると所々に決定的なズレが散見され、一体どうなっているんだろうと気になり始め、どこからだんだんと精巧で奇妙な空間へと誘われていきます。
撮影されているのは実際に、職場や自宅などむしろ身近すぎるような光景なのだそうですが、それを分割して撮影して再構築、ひとつの画像として表出した写真作品とのこと。自宅の窓であれば手すりが微妙に、しかし決定的にズレていたり、仕事場では道路に停車している車両が分断されていたりと、時間の経過が感じ取れるような部分が硬質なアクセントとなって静かに迫ってきます。
知りすぎているような情景をモチーフに、だからこそ当たり前のように見過ごしてしまう気付き得ない変化を捕らえ、それをシームレスに提示していく展開に深みを感じます。



■4/28 Thu
Hans Josephson
TOMIO KOYAMA GALLERY
東京都江東区清澄1-3-2-7F
03-3642-4090
4/23(土)〜5/28(土)日月祝休
12:00〜19:00
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このスペースがこれほど暗く重い色彩で満たされたことはないのだろうか、と思うほどにこれまでとは違う雰囲気が空間にどっしりと溢れています。どこまでも朴訥とした、素朴極まりない造形。いったいいつの人が作ったのだろう、まるで何千年も前からあったんじゃ、という想像も浮かんでくるほどに粗野で力強い陶芸作品がずらりと並び、俯瞰したときに体感する得難い温もりにやさしい気分が広がります。牧歌的、長閑な気配が心地よいです。
そして至近で眺めると重たい色彩と思っていたなかに様々な色が潜んでいて、またぼんやりと捕らえていた風合いがいきなり金属的な光沢を漂わせ始めたりと、さらに深く奥行きのある世界へと意識を誘ってくれます。いつまでも接していたい優しさが横たわっているように感じられます。



市川孝典『FLOWERS』
NADiff Gallery
東京都渋谷区恵比寿1-18-4-B1F
03-3446-4977
4/28(木)〜5/29(日)月休(祝日の場合開廊、翌火休)
12:00〜20:00
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線香の炎で描くリアルなモチーフ。今回は蝶や花などをモチーフとした作品が発表され、市川さんの世界観に備わる独特の色香のようなものがそこから漂いくるような感じで、それが焦げた紙のどこか朽ちたような風合いと相まってさらにスリリングな気配を届けます。さらに興味深く感じられたのが、今回の作品ではその線香の炎で要素が描かれた紙が重ねてパネルに張られているものがあり、それによって導き出される今までにない物理的な立体感、テクスチャーの独創性がさらに際立って届けられるような、それまでの緊張感に加え、更なる複雑さをもたらす斬新なアプローチに大いに唸らされた次第です。
posted by makuuchi at 05:26| mini review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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